PROLOGUE・前編




蓮子 「……マズい事になったわね。」

メリー「そうね、だからこそ早急に対処しましょう。」

蓮子 「でも、これだと誰に頼めばいいのかしら……?」

メリー「……あの子しかいないでしょう。」

蓮子 「そうね……あの子に頼むしか……」





《場所変わって、紅魔館では……》





美鈴 「パチュリー様〜まだあるんですかー?」

パチェ「そうね、あと少しかしら……」

美鈴 「その言葉は1時間前にも、3時間前にも聞きましたってば…」

パチェ「……そうだったかしら。」

美鈴 「……というか、本の整理なら小悪魔さんに頼んでくださいよ〜」

パチェ「仕方ないじゃない、小悪魔は体調が悪いって言うのだから……」

こあ 「うぅ……動悸に息切れ、気つけに救心がァ……」

美鈴 「(すごくウソ臭いんですけど……)それにしても、こんなに床が埋まるほどの本。一体どうしたって言うんですか?」

パチェ「あの隙間妖怪に頼んだんだけどね……」

美鈴 「紫さん…にですか?」

パチェ「えぇ、スキマ通販で」

美鈴 「スキマ通販!?」

パチェ「床にばらまくなんて、配達の仕方が雑すぎるわ。えっと…スキマ通販に消極的にクレームを言う方法は……」

美鈴 「……それで私が手伝わされてるんですかぁ〜?」

パチェ「元はと言えば、アナタのせいなんだからいいでしょ……?」

美鈴 「私のせいですか!?」

パチェ「あなたがあの白黒のネズミを易々と通すせいで、本がどんどん無くなっていくんじゃない……」

美鈴 「うぅ…でも、こうして門を留守にしているうちに侵入者が……」

蓮子 「こんにちわ―…って何、この本の海!?」

美鈴 「ほら、勝手に入ってきたァ!!」

メリー「すごい量の本ね……『おいしいお弁当の作り方2』…?」

パチェ「……丁度いいわ。あなた達も手伝ってくれる?」

蓮子 「うーん……まぁ、いいけどね。」

メリー「とりあえず、片付けないと話も進まないみたいだしね……。」

美鈴 「うぅ……優しい方々です。」

蓮子 「で、この本をどうすればいいの?」

美鈴 「あ、とりあえず言語別に棚へ……」

パチェ「……。」




 少女片付け中……





蓮子 「うーん……やっと、おわったー!」

メリー「見た目より重労働だったわね……。」

美鈴 「お二人のおかげで早く終わりましたよ〜」

こあ 「お疲れ様です。紅茶でもいかがですか?」

蓮子 「あ、ありがと。」

メリー「いただくわね。」

美鈴 「ありがとうございます……って私の分がない!」

こあ 「……ジブンデ、イレロヤ」

美鈴 「あ…悪魔だ……」

こあ 「何をいまさら。」

パチェ「……ところで、そこの二人は何か用があったんじゃないの?」

蓮子 「ん?あー、そうそう!ねぇ、中国。」

美鈴 「え、私に用があるんですか?って……私は紅美鈴ですってば!」

メリー「まぁ、そこはどうでもいいのよね。」

美鈴 「よくありません。我 的 名 字 紅 美 鈴 !!」

蓮子 「うん、やっぱりセンスがあるわ。」

美鈴 「はい?センスって一体何の……」

蓮子 「とにかく、パチュリー。この子借りてくわね?」

パチェ「……どうぞ。」

美鈴 「ちょっと、パチュリー様!?あ〜ちょっとまって、襟引っ張っていかないでぇぇェー」

メリー「……じゃ、お邪魔したわね。」

パチェ「……。」

こあ 「門番連れてっちゃいましたけど……いいんですかね?」

パチェ「……いいんじゃないの?どうせ、中国だ……し?」

こあ 「どうしたんですか、パチュリー様?」

パチェ「……床に落ちてたわ……」

こあ 「何かの紙切れですか?さっき(門番たちが)本を片付けてた時にはありませんでしたが……。」

パチェ「…………これは!」

こあ 「いったい何が書いてあったんですか?」

パチェ「……スキマ通販からの請求額が。」

こあ 「……請求書ですか。」

パチェ「ふぅ、厄介ね……」

こあ 「……。」






《投げっぱなしのまま、後半へ続く。》





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